第四章 - 4/8

「失礼します」
ノックと共に誰かが部屋に入ってくる。翼が呼んでくれた医師だろうと透は思っていた。
「西屋さん、具合はどうですか?」
「はい、大丈夫です」
部屋に入ってきたのは二人。医師と看護師だ。
「傷の様子見せてくださいね」
二人は手際よく診察の準備をしていく。
「うわっ、アザだらけだ……」
今更ながら自分の体がボロボロなことに気付いた。胸や腕に青アザがたくさん残っている。
「何言ってるんですか。こんなもんじゃないでしょ。あなた、撃たれてるんですからね」
「ですよね……」
「今はまだ麻酔が残ってて痛みもほとんどないでしょうけど、切れてからが大変ですからね」
腹部の傷は消毒されてもそこまで痛みはなかった。だが、頭の傷はそういうわけにはいかなかった。
「いたたたたた!!!」
「ガラスの破片刺さってましたからね、痛いのは我慢してください」
「あ、あのもしかして……髪の毛……」
「あ、大丈夫です。最低限しか剃ってないので、パッと見はわからないです」
「……」
透は今はどうでもいいことだとわかっていながら、ビジュアル面についてを考えてしまった。
「まあ、頭と顔の傷はきれいに治るでしょう。お腹の傷は跡が残りますけど、仕方ないですからね」
「はあ……」
「あと化膿止め、これも出しときますからね。飲んでくださいね」
薬を何種類か処方された。サイドテーブルに置かれた薬を見ながら、透はあることを考えていた。
「……あの、お願いしたいことがあるんですが……」
「なんでしょうか?」
医師と看護師は診察を終えて戻る準備をしている。
「退院させてはもらえないでしょうか……?」
「はい???」
「ちょっと、寝てる場合じゃなくて……なるべく早くやらないといけないことがあるんです……」
「な、何言ってるんですか!ダメですよ!傷も塞がりきってないのに何で……!?」
許可がもらえるとはさすがに思ってはいなかった。予想していた反応だったので、透は気にしなかった。
「……じゃあ、呼んでもらいたい人がいるんです。さっき呼びに来た男の子がいると思うんですけど、彼にみんなと警察の人を呼ぶように頼んで欲しいんです」
「……よかった、人を呼べばいいんですね。では、呼んできましょう」
医師は部屋から出ていく。このあとの行動をどうするか、透は考えていた。